波とはそれがどんなに恐ろしい性質を持とうとも、ただの変質した自我という”あなたのニセモノ”でしかない

変質した自我とは、喩えるならば
大海原にたゆたうひとつの波であり、
海そのものにはなり得ない。

海そのものが無限で自由な愛ならば、
変質した自我である波は、
愛から湧いてくる
いっときの揺らぎでしかない。

波は単に

“常に湧いてくる、ただ在る何か”

でしかない。

その

“常に湧いてくる、ただ在る何か”

である波は、海全体にはなり得ない。

あなたがどんなに頑張って
自身に苦痛を感じたところで、
自身に疑いの目を向けたところで、
恐怖におののきそれが自身の真実だ
と思ったところで、
それは所詮、

“ただ在るもの、
そして次の瞬間は
変質して愛に還るもの”

に過ぎない。

そう、波とはそれが
どんなに恐ろしい性質を持とうとも、
ただの変質した自我という

“あなたのニセモノ”

でしかないのだ。

①変質とは性質または
物質が変化すること。
また、その変じた性質や物質。
②気質・性格に異常のあること。

と『広辞苑』にある。

海そのものが愛だとしたら、
波とは愛が変じた
異常な状態ということだ。

それがいくつ束になり、
どれだけ大きな波になろうとも、
次の瞬間には結局、
海に飲み込まれてしまうのだ。

だからどんなに湧いてもそれで良いし、
それが自然な状態だ。

どんなに
“異質なもの”
として愛に抗ったとしても、
結局は愛にしか戻れないし、
そもそもが、
愛の中でそれを感じているに過ぎない。

だから安心して抗えばいい。

その不安で不吉な波を、
あなたの普遍で不変のものとして、
じぶんの本当の姿なんだ
と、気が済むまで信じたらいい。

ただ、あなたがそんな状態にあっても、
海は、常に揺らめいてそこに在る。

繰り返すが、
不安を感じるあなたの変質した自我は、
海に浮かぶいっときの波ではあるが、
結局は海の一部でしかない。

ということは、
海に浮かんだ不安と言う波は、
結局海という愛に吸収されてしまう
といことだ。

だから安心して不安を感じていい
ということだ。

逆説的だが、
不安を感じることに安心できるなら、
それはもはや不安にはなり得ない。

（あなたが感じるあらゆる恐れがそうだ）

この世に存在するすべては
素粒子からできており、
それは覗き込むと
常に揺らめいているという。

この宇宙に存在するすべての核は、
宇宙のチリに至るまで
常に揺らめいていて、
その最奥では、すべてが同じ
揺めき輝く光を放っている。

その光が海という愛そのものだ。
それが命だ。

だから、揺れ動くことがなくなれば、
命ではなくなる。

つまり存在できなくなるということだ。

それが理解できたら、
あなたの心の表面に
どんな荒波が立とうとも、

あなたが海そのもの
光そのもの
愛そのものであること

に、安心できるだろう。

それが命というものだから。

わたしの本質であなたの本質、
それは命で、
揺らめく光の輝きだ。

それがあなたで、
それがわたしで、
それが波で、
それが海で、
それが宇宙で、
それが神だ。

そして波は常に湧くものだから、
安心して湧かせておけば良い。

それがあなたなんだから。

ただし。

波を固めて維持することは、
本来はできないということは
頭のどこかで覚えておこう。

ついつい、それが確固たる
揺るがない真実と思いがちだけど、
それが変質した自我の十八番だ、
と覚えておこう。

そうすれば、波から距離を保って

ああ、波が湧いてるな〜。

と、ただ眺めることができるから。

そうすれば、その波は
次の瞬間には過ぎ去って行く。

その繰り返しが命だ。
それがあなたで、わたしだ。